とらやのお汁粉で始まる2022年!

「し・る・こ!し・る・こ!」
2022年元旦。
突然、職場で身体の全細胞が、フレンドパークのパジェロコールよろしく、「しるこコール」を開始した。

ちなみに我が職場は365日稼働しており、年末年始にこれといってすることのないワタクシは、お正月は職場にいるのである。

どうした、自分。
クライアント様のクレームへの返信をしながら、頭の中は「しるこ」でいっぱいである。
むかし「甘いぞ男吾(だんご)!」という漫画の主人公「男吾(だんご)」の、お姉さんの名前が「知子(しるこ)」だったなあ。
柔道漫画YAWARA!」に出てくるロシアの柔道選手アンナ・テレシコワが、お汁粉を食べるシーンがあったなあ。
アニメ「ラムネ&40」に出てくるロボットにはそれぞれ飲み物の名前がついているけど(ウーロンとかアッサムとか)、その中に「シルコーン」っていうロボットがいたなあ。………汁粉は飲み物なのかなあ。
「しるこドリンク」ってあるので、飲み物と言えば飲み物かも。
「しるこドリンク」といえば、「動物のお医者さん」で漆原教授がしるこを爆弾に変える「バイツァしるこ」のスタンドに覚醒する回があったなあ……
などと、お汁粉に関する漫画アニメの記憶がよみがえってきた。
どんだけの記憶力だ。
まさかクライアント様も「弊社の不手際で多大なご迷惑……」と言っている人間の頭の中がこんなにも「しるこ」で満ちているとは思ってもいないだろう。

前置きが長くなったが、とらやの伊勢丹新宿店でお汁粉をいただいてきた。

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粒あん選択!

新宿伊勢丹店員様の接客は申し分ないことは存じ上げているが、ご丁寧な接客にお汁粉一つでこんな御大尽気分を味わってよいのだろかとというほどである。
粒あんこしあん派が分かれるけれど、ワタクシは粒あん派だ。
餡子が小豆だった片鱗を舌で味わいたいという思いがある。
こしあん派の方は小豆があんこに完全にメタモルフォーゼした舌触りをお好みなのだろう。

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全貌。

赤坂店で最後にいただいた時のお口直しの漬物はコブの佃煮だったが、今回は柴漬けであった。
店舗により異なるのか、今年は柴漬けなのか。
あのコブの佃煮、すごく美味しかったのでどこのお店で販売しているのか知りたかった。(とらやで作っているのかも?)

 

「しるこ」というと、おざさと家では一つのエピソードがある。
母上様が第一子(我が兄上様ですな)を妊娠されたときのこと。
母上様は父上様のために、お雑煮をこしらえたが、父上様は「正月はしるこだ」というスタンスで、お雑煮は食べずに、父上の母上様(私のお祖母様、母上の義母様)のこしらえたお汁粉だけを食べた、とのこと。
妊娠中の出来事はナントカカントカといわれているが、母上様は毎年お正月にお汁粉をこしらえるたびに、ワタクシに当時の感情を唱えるようになった。
おせちの横にに並ぶ苦いお汁粉は、甘党のワタクシではあるが、お汁粉は好まない子供になってしまったのである。

時は流れ大人になったワタクシ。
父上が病気との戦いを終え、身体をお返しされた後のこと。
お正月に赤坂へ初詣に行った帰り、身体が突然「し・る・こ!し・る・こ!」と叫び始めたのである。
お汁粉、別に好きではないのに。
しかし、身体が求めるから答えねばならぬ。
近場にあるとらや本店へ飛び込み、お汁粉を注文した。
「う、美味っっっまぁぁぁ~!!」
冷えた体に染みわたる甘味と温度。お汁粉ってこんなに美味しいのか!!
しるこの改心、である。
体質的にわかる人はわかると思うが、故人の好物を突然食べたくなるという現象がある。
それを「憑依」と呼ぶのか、単に「思い出」というのかは、わからない。
ただ一つ言えることは、お正月に食べるお汁粉は美味しいという真実だ。

皆さま、遅ればせながら、明けましておめでとうございます。