そごう川口が29年の歴史に幕を閉じた。
わたくしは永遠のハタチ空間に生きているのだが、物質世界において29年前のそごう川口オープンのことは覚えている。
一階にはゴージャスな噴水広場があり、10階のレストラン街には水路があってざぶざぶと水が流れていた。
学研の未来予想図に載っているような、外が見えるエレベーターには、びっくりした。
3階の入り口のからくり時計は時間になると「イッツァ スモールワールド」が流れ、子供たちは立ち止まり仕掛けの人形たちを眺めた。
レストラン街には開店時に浅草の「梅園」がテナントに入っており、また3階にはアフタヌーンティールームのカフェがあった時期もあった。
都心でなくては食べられなかったアフタヌーンティーのスイーツが、大好きな浅草梅園の「豆かん」が、川口で食べられると歓喜した。
その後わたくしは、引きこもり期を経て、復帰の際にそごう川口の物産展のバイトしたりもした。*1
噴水はいつの間にかなくなり、水路の水は止み、梅園もアフタヌーンティールームのカフェも撤退した。
なとど、川口駅使用者には、それぞれ、そごう川口への思い出があるのだと思う。
本日の閉店前には多くの人がそごう川口の前に集まり、その最後を見送った。(閉店時間前は川口駅前はすごい人でした。)
川口駅を降りるとドドンとそびえたつ、そごう川口は、あって当たり前の存在だった。
3月から川口には、そごうはない。
川口駅周辺はそごうのほかにもいろいろな建物があった。
丸井があった時期もあり、書泉グランデがあった時期もあった。
と、こんな風にのちの人々に「川口に昔、そごうがあったんだよ」いう時が来るのだと思う。
始まりがあるからには、終わりがある。
終わりがあるから始まる何かがある。
建物はどうなるのか。取り壊すのなら跡地は何になるのか。
いろいろとうわさを聞くが、とりあえず樹モールに現在建設中のショッピングセンターができるまで、川口は寂しい期間を過ごすことになる。
*1:時給はたしか860円だった気がした。