寒がりだが、冬は嫌いじゃない。
身がキリリと引きしまうような寒さと澄んだ空気は、清浄な気分にさせてくれる。
さて、タイトルにあるように、シャンドワゾーグラシエ(通称:黒シャン)にて一人忘年会を開催した。
今期のフレジェが販売しているという情報を得たので、もちろん宴のため購入。
そして最近お目見えしたタルト、「パンプルムースピスターシュ」もグラシエに持ち込んだ。
久しぶりの、フレジェ。
一口食べた途端、その美味しさに思わず眼(まなこ)と閉じた。*1
舌から全身に幸福の波紋が広がるような感覚。
出始めの苺だからまだまだ酸っぱかろう、なんて思っていたが、その甘さは主役を演ずるまでに達していた。
今年はいろいろなことがあった。
お国が、めったなことない限り「お出かけ禁止」といった。
自分の仕事は、お出かけ禁止の時に忙しくなる系である。(詳細はぼかしておきます。)
お子さんがいる同僚達(ワーママさん)は出勤ができなくなり、仕事量は三倍、人員は三分の一という状況となった。
使命感があったわけではないが、子供のいない自分は出勤を続けた。
何をどうすれば「安全」なのかわからない日々に、正直、「しんじゃうかもなー」なんて思いながら毎日毎日出勤した。(その心情は、春分の日のブログ参照。)
運が良くピンピンした体で年末をむかえることになり、今この瞬間、美味しいケーキを噛みしめている。
パンプルムースピスターシュ。
ピスターシュというとラズベリーを組み合わせるパティスリーが多いが、シャンドワゾーでピスターシュと言ったらお供はパンプルムース(グレープフルーツ)である。
そういえば、シャンドワゾーの名作ケーキである「ミゼラブル」のリニューアルし、表面にクラッシュしたアーモンドが乗る仕立てとなった。
既にいただいており、もちろん美味しかったが、正直な感想は「前のミゼラブルとは別のケーキ」である。
シャンドワゾーのミゼラブルと言えば、一口食べると、圧倒され、気が付くと消えているという、すごいケーキだ。
この「気が付くと消える」のは、別に魔法ではなくて、からくりがある。
咀嚼をすべき、硬い素材が構成に入ってないからである。
アーモンドには硬さや角があるから、あの「消えてなくなる」感覚はなくなった。
「ずっと変わらない」というのは幻想なんだなーと、思う一年であった。
変わっていく。
すべては変わっていく。
なんて、忘年会会場(黒シャン)で甘さの余韻に浸りながら、思いをはせるのであった。
*1:誇張ではなく、本当にしばらく目が開きませんでした。