秋もたけなわ。
新宿御苑へピクニックへ行ってきた。
大きなお空の下でケーキなんていいかもしれない、と伊勢丹に寄ってパティスリーeaseのケーキを購入。
以前からケーキクラスタの間で話題だったease。
今頃になってようやく、である。
絶景の場所を陣取った。
敷物の上に転がるや否や、靴下を脱いで裸足になった。
とにかく、そうしたかったのである。
選んだケーキはモンブランとイチジクのタルト。
食後は敷き物の上で寝っ転がって本を読んだり、語学のテキストの音読をした。
屋内でテキストを読むよりも、声が体の奥から出ている気がする。
そのうちストレッチしたり、芝生の上を裸足のまま歩き回って、ピョンピョンはねたり、上段回し蹴りの練習をしたりした。
足の裏でしっかりと芝生をとらえる感覚は、ただただ気持ちが良かった。
さて、そろそろ敷物を片付けて園内散策をしよう、御苑案内図を手に取った途端、トンボがとまった。
これは吉兆とみた。
園内を一周。
薔薇の最盛期らしく、花壇では数々の品種が咲き誇っていた。
花壇からひょっこり顔を出した薔薇の花の香りを何気なしに、かいでみた。
一瞬、頭が真っ白になった。
「いいにおいすぎる!」
思わず声が出た。
切り花や、香料に濃縮さえた薔薇も良い香りだけれど、今この瞬間に土に生えた薔薇の香りは、誇張抜きで全身に幸福な何かをくれた。
この大都会に樹齢何百年クラスの樹木がある。
なんか抱きつきたい樹は、片っ端から抱き着いた。
お花に夢中なハチさん。
どんぐり天国。
この季節に桜を見かけた。ジュウガツサクラという品種。
小さくてかわいいお花だった。
人の成果や出世について「遅咲き」という言葉がある。
遅く咲ける人は、結局のところ若い時からそれまで、たくさんの経験や努力といった養分を蓄えてきた人であり、自分はこの先、何も咲かすことはできない。
そう思って、すべてが灰色に見えてきた時期があった。
今は、「花ではなくても、葉っぱとか、根っことか、コケとか、とりあえず生きていれば、何か生える時が来るかもね」くらいの気持ちで生きている。
温室にも寄りました。
あ、グレープフルーツ!
………レモン!?
我らの知るレモンはラグビーボール的なフォルムであるが、球体のレモンもあるのですね。
温室内。
なんか面白い葉っぱだと思ったら、
パピルス!!
世界史の授業で、最初に出てくる「紙」の原料となった草のアレである!
まさか新宿のど真ん中でお目にかかれるとは。
ドラゴンフルーツ!
こんな風になっているのですね。
温室を楽しんだ後、新宿御苑を出た。
ここ最近、自分の身体が濁っているような感覚があった。
マッサージか、温泉か、なんて考えているとき、「なんでもよいので、自然に触れるのが良い」というひらめきがあり、突如、計画した今回のピクニック。
半日の程度の園内散策で身体が浄化された実感を感じる。
自然の力は偉大。
あまりにも快適だったので、新宿御苑年間パスポートの購入を考えているところである。
みなさまも、身体のリフレッシュに、(近場でも)ピクニックはお勧めである。