北浦和ポルトボヌールの「モン・フジ」と「ナガノパープルのタルト」

古来より人類は歯の並びを整える方法を模索していた。
やがてそれは「歯列矯正」と呼ばれるようになり、世界中の歯並びガッタガタピープルを救った。
しかし、歯の一本一本に接着剤で器具をつけ、針金をかけて締め上げるこの技術*1
007でおなじみのジェームスのボンちゃんですら真っ青の拷問ではないか。
そんな拷問めいた行為を、わたくしは、ここ一年あじわっているのだ。

ジェームスのボンちゃんは拷問と引き換えに甘い時間*2がある。
わたくしへの甘い時間はポルトボヌールのケーキなのだ。


ポルトボヌールではモン・フジとナガノパープルのタルトを購入。

モン・フジはきな粉(!)と、小豆(!!)の味がする、和テイストなモンブランである。
変化球モンブラン

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ナガノパープルのタルト

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多くのパティスリーはナガノパープルを粒ごとタルトに乗せるが、半分に切って断面を披露するという、個性的なビジュアル。


結構前のことだが、ポルトボヌールのシェフが、評価サイトで店への心無いレビューをみるたび、傷ついてしまうといったツイッターでみかけた。

ポルトボヌールは、いちゃもんレビューの数百倍数千倍「美味しい」の評価を受け、たくさんの催事からお声がかかるパティスリーである。
そんな有名店のシェフの正直な告白に、少々動揺した。

ジャッジする側は、ジャッジされる側も「人間」であり、心や感情や生活があるのを、忘れてしまうことがある。
「金銭と引き換えに品物やサービス(表現)を受け取るのだから、自分は心の内を、すべて公にしてよい権利がある。」
そう思っているのかもしれない。

自分にも、そういう部分を持ち合わせている自覚があるので、シェフのツイートは自分を改めるきっかけをくれた。
自分が「人」であるように、他者も「人」なのだ。


それとはべつに………ケーキうまー!ケーキうまー!ケーキうまー!!!
歯を針金締める日以外でも、また伺います。

 

 

 

ちなみにボンちゃんのベスト・オブ・拷問は「カジノロワイヤル(2006)」をあげたい。

*1:マウスピースとかセラミックとかも技術もありますが

*2:一回こっきりの甘い時間であり、この時代にもはや必要のないシーンとなるかもしれない。