靴底は謳うよ。

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スニーカーを新調した。
現役のスニーカーはすでにボロボロだったが、納得いくものに出会えなかったので、履き続けていた。
自分はスニーカーの履き心地にうるさい。
値段はいくらでも出せるスニーカーマニアというわけではなく、足を入れた途端「この感触良い!」という感覚を求めてさまよっているのだ。
デザインよりも感触優先*1。かつ履きつぶすつもりなのであまり高額なものは求めていない。
そうなると、逆になかなか見つからないのだ。
わがままなシンデレラか、自分。
いろいろ探し回るうちにますます現スニーカーはさらにボロボロになっていく。
妥協が頭によぎったのだが、ある日、最高のスニーカーに出会った。
場所は川口市のショッピングモール。(地元だ!!)
靴コーナーのセールスペースのスニーカーに、ふと目に止まった。
好みのカラー。サイズもOK。メーカーはアディダス*2
問題は「足ざわり」である。
そっと、足を入れた途端、
「正解!おざさとさん勝ち抜けです!!」とクイズ番組勝者の照明と音声、オーディエンスの歓声を全身にあびた気がした。
たとえるならばそれは、帝国ホテルの絨毯の上。
アキレス腱と足のアーチをマ・ドンソク兄貴*3の厚い筋肉でハグされているかのよう。
うっすら頭にあった、妥協スニーカー候補が消滅した。
お値段は予算より少々高めだだったが、躊躇はなかった。
レジへもっていくと、現品限り、サイズもこの一つだけの品だった。

翌日、早速新スニーカーで会社へ向かった。
スニーカーと言えど、足になじむまで多少時間を要するが、そんな時間は皆無。
靴底の軽く傾斜があり、重心が心地よい場所で決まり、姿勢も良くなった気がする。
仕事の合間の休み時間、トイレで意味なく、ピョンピョン跳んでみた。
足の裏にスプリングが付いているかのような軽さ。
自分の筋力を使って跳んでいるとは思えなかった。
本当に素晴らしい。

自分は「物運」がとても良い。
それは物が物として生まれ、その使命を全うするまで使い切るからだ。
だから物も、使ってほしくて自分に出会いに来る。
自分もその「物」にほれ込む。
つまり、相思相愛。


そのうちトイレで、笑いながらサカナクションの「ネイティブダンサー」よろしく、踊り始めていた。
早くデスクに戻らななければとわかっている。
わかっているけど、踊り続けた。

 

 

*1:デザインも大事ですよ。

*2:ジャージは大好きでいくつか持っているが、スニーカーは今まで持っていなかった。

*3:ゾンビ映画「新感染」を観ればわかる。